台湾文山包種茶

文山は台湾の地名であり、包種はこのお茶の最初の包装方法に由来しています。文山包種茶は、細長い形状、軽発酵、香りの良さで知られる台湾の烏龍茶の一種です。

文山包種茶

歴史

台湾で烏龍茶が初めて輸出されたのは1865年ですが、当初は売れ行きが芳しくありませんでした。しかし、1881年に福建省から商人が新しい烏龍茶を導入しました。このお茶は特定の品種の茶樹から作られ、花の香りを加えて仕上げられていました。

当時、この茶樹は「種仔」と呼ばれ、販売時に茶葉を四角い紙で包んで出荷していたため、「包種茶」と名付けられました。

1912年には、「改良包種茶」と呼ばれる新しい製法が開発されました。この方法では花の香りを加えず、それでも茶葉が自然な花の香りを持つように作られました。この改良包種茶は市場で好評を博し、1920年にはより高級な製品として広まり、現代の包種茶の製造基盤となりました。

当時の生産地は現在の新北市と台北市に位置し、日本統治時代(1895年~1945年)には新北市と台北市の文山区で主に生産されていたため、この茶は文山包種茶と呼ばれるようになりました。

文山包種茶茶樹

特徴

文山包種茶は軽発酵の部分発酵茶で、酸化度は約10%~15%です。

製法

  • 新鮮な茶葉の収穫
  • 日光萎凋(乾燥)
  • 室内萎凋と攪拌
  • 殺青(酵素の働きを止める加熱処理)
  • 揉捻(茶葉を揉んで形を整える)
  • 初乾(一次乾燥)
  • 最終乾燥

包種茶には半成熟葉が最適とされます。茶葉が若すぎると苦みや渋みが強くなり、香りも弱くなってしまいます。外観は、自然なカールがかかった茶葉で、形が整い、緑がかった黒色の光沢があります。お茶の水色は黄緑色で、味はまろやかで甘みがあるのが特徴です。最上級の文山包種茶は特に香りを重視し、飲むと滑らかな口当たりと爽やかな甘みが楽しめます。また、鼻に抜ける華やかな花の香りも魅力のひとつです。

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