大禹嶺高山ウーロン茶:消えゆく高山茶王

大禹嶺高山ウーロン茶は南投、台中、花蓮の境界に位置し、台湾の高山茶の最高峰とされています。高い標高、昼夜の温度差、そして合歓山の冷たい風が吹くことで、大禹嶺ウーロン茶は特有の山の風味を持ち、苦みは少なく甘みがあり、茶の世界で非常に評価される貴重な品種となっています。

大禹嶺高山烏龍茶

かつての台湾の高山茶王:大禹嶺高山ウーロン茶

かつて、大禹嶺の茶園は最高で2650メートルの標高にあり、台湾で最も高い高山ウーロン茶の産地でした。しかし、2015年に台湾政府の水土保持政策の影響で多くの茶園が大規模に伐採され、現在ではわずかに3つの茶園が残り、最高標高は2400メートルまで低下しました。これらの変化が大禹嶺茶の収量に大きな影響を与え、現在では季節ごとの収量が1800キログラム以下に減少しています。

大禹嶺高山烏龍茶

大禹嶺高山ウーロン茶の味と価格

大禹嶺高山ウーロン茶はその特有の生育環境から、濃厚な山の風味と自然な甘さを持ち、苦みが極めて少ないことで知られています。年に春、秋、冬の3季のみ収穫され、季節による収量は1200〜1800キログラムで、需要に対する供給不足から、2023年時点では大禹嶺高山ウーロン茶の小売価格が600グラムあたり1万〜1万2000台湾ドルに達しています。価格が高くとも、その名声の高さから需要が供給を上回っています。

品質と購入のアドバイス

茶園の減少や水土保持のための樹木の植栽が大禹嶺高山ウーロン茶の品質に影響を与えていますが、高標高の茶園が伐採されたことで品質が2015年よりも低下しているという一定の見方もあります。しかし、供給量が少ないため、価格はますます高騰しています。高価であるため、市場には偽造品も多く存在するため、消費者は購入時には特に注意する必要があります。正真正銘の大禹嶺高山ウーロン茶を購入するためには、信頼できる茶商を選ぶことが重要です。