龍井茶:中国を代表する緑茶

龍井茶(ロンジンチャ)、別名西湖龍井(シーフーロンジン)は、中国十大名茶の一つであり、緑茶に分類されます。その独特な清香、甘美な口当たり、そして明るい茶湯の色で有名です。龍井茶は中国緑茶の宝であるだけでなく、中国茶文化の象徴の一つでもあります。

龍井茶

龍井茶の起源と産地

龍井茶は中国浙江省杭州市西湖区の龍井(ロンジン)に由来します。浙江省の中央部では西暦700年頃から茶が生産されており、1400年にはさらに繁栄しました。その中でも、西湖地区で生産される龍井茶は特に質が高く、特に銀獅峰(インシーフォン)の獅峰龍井(シーフォンロンジン)が有名です。現在、龍井茶は主に浙江省の西湖、杭州、紹興の三つの産地で生産されており、中でも西湖産のものが最高品質です。西湖龍井は龍井茶の代名詞となっています。また、台湾新北市三峡区でも龍井茶が生産されています。

龍井茶

特徴

龍井茶は平らな形状、鮮やかな緑色、濃厚な香り、甘美な味わいが特徴です。特に、毎年春の4月前に収穫されるものが最も貴重とされています。龍井茶は収穫時期や芽葉の柔らかさに基づいて等級分けされ、茶芽、一芯一葉、一芯二葉などに分類されます。中でも最上級の茶は、500グラムあたり8万個の茶芽で作られ、非常に高価です。

龍井茶

製法

龍井茶の製造過程は非常に厳格です。まず、収穫後の茶葉は室内で薄く広げ、2時間静置して老葉や傷んだ葉を除きます。その後、炒製に入ります。最初に殺青(茶葉を炒めて殺菌する工程)を行います。鍋の温度は約100度で、つかみ、揺らす手法で炒め、含水量が50%に減ると、押しつぶして成型し、茶葉を平らな形にします。殺青は約15分かかり、その後50分間冷却します。その後再び炒製を行います。今回は鍋の温度を約70度に設定し、つかみ、押し、押し広げる手法で炒め、茶葉が平らで滑らかになり、茶の香りが漂います。全過程は精緻な手作業によって行われ、高品質な龍井茶が完成します。

龍井茶

龍井茶の淹れ方

龍井茶を淹れる際は、山の湧き水が最適で、水温は80度が望ましく、高温によって若葉や茶成分が損なわれ、苦味や渋みが出るのを避けるためです。茶器は透明な壺や杯が最適で、龍井茶の外観を楽しみながらお茶を飲む楽しさも味わえます。適量の茶葉を入れ、熱湯を注ぎ、しばらく静置すれば、龍井茶の清香と甘美な味わいを楽しむことができます。

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